続出するカタカナ用語 説明付けよ 朝日新聞 2011年2月21日 「声」 投書原稿 マニフェスト(政権公約)って何だと思っていたら、今度はアジェンダ(公約)。政治家はどうしてカタカナ用語が好きなのだろう。国際交流が盛んな今日、外国語を使用する必要はあるだろう。でもカタカナ用語での議論では内容が深まるのかどうか。その上それが公用語になるのが怖い。 |
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政治家はカタカナ用語を使わないで、分かり易い日本語を探す努力を
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2013/2/8
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これまで朝日新聞の「声の欄」を始め、いろいろな場面で、自分の意見を述べる時には、出来るだけ正しい日本語を使うことの重要性を主張してきた。 国際化が進んだ今日、英語やその他の外国語を使う機会が多くなって、自然にカタカナ用語が出るのかも知れないが、政治家が議会やテレビで話す場合、相手にその言葉の意味が分からないのでは議論は深まらないし、意味がない。テレビを観たり、新聞を読んだりしていると、政治家が又こんなカタカナ用語を使って、どれだけの人が理解できるのだろうかと考えさせられることが多い。 今晩(平成25年2月5日)テレビを観ていると、下村文部科学大臣が、オリンピック女子柔道の体罰事件に関する談話の中で、「ガバナンスとコンプライアンスがなければ、、、」と述べている。これは英語のgovernance(統治、支配、管理、統制)、compliance(法令遵守、協力、服従)のことをさしているのであろうが、このような用語の意味が分かる人が聴取者の中に何割いるか考えたことがあるのだろうか。更に本人はその言葉の意味を本当に自国語のように理解して使っているのだろうか。ひょっとすると「私はこのような用語が分かるのだ」と得意顔になって、わざと生半可なカタカナ用語を使っているのではないだろうかと疑いたくなる場面もある。 安倍総理は、かって「美しい日本」と声高に唱えたこともあるが、今は日本銀行を強引に取り込んで、景気回復の一点張り。正しい日本語を取り戻すことこそ、日本回復に必要なことではなかろうか。特に教育に最も関係の深い文部科学大臣がこのような発言をするようでは救われない。 これは単に自民党だけの問題ではない。どの政党も、地方自治体の段階においても同様の傾向が見られる。国民全体で取り組むべき問題であるが、特に政治家の発言は影響力が大きい。どうぞ発表する前によく内容を考えて相手に分かり易い日本語を使って発表する努力をしてもらいたい。 |
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